旧囃子の間奏
信濃町の一部地域には「旧囃子」と呼ばれる獅子舞いがあります。「旧囃子」の獅子舞い、旋律は、信濃町・三水村・豊田村・飯山市に伝播しています。この旧囃子の獅子舞いで、よたん舞い、御幣舞い、刀舞いそれぞれの間奏に用いる旋律があります。旋律はごく短く、だんだんゆっくりになって笛が高音を伸ばして終るので、獅子舞や囃子のお仕舞い、区切りをよく表していると思います。
この旋律はさらに、長野市権堂町や小川神社の屋台囃子、中野市西江部や立ヶ花の道中囃子の最後の締め、終いに使われるなど、北信濃の各地に伝播しています。全国の分布はわかりませんが、千葉県香取市佐原の山車の囃子、佐原囃子で同じ旋律が使われていました(youtube検索)。かつて県外から屋台囃子として伝わってきたものでしょうか。
以下の音源では、音源の出だし、中間あるいは最後に、似通った旋律が使われています。似通ってるといっても短いフレーズながら多様です。この旋律が屋台囃子や道中囃子の仕舞いに使われている一方、旧囃子の獅子舞いではこのフレーズを獅子舞の間奏に用いています。さらに、よたん舞や御幣舞などの囃子と相性がとてもよいのがおもしろいと思います。