須坂市 塩野 上平神社
Date
- 2002年(平成14年)5月1日(水) 春季例大祭 (夜宮) ☀
- 19:40 宮入
- 20:20 獅子舞い「悪魔祓い」
- 20:30 獅子狂言「ぼたん獅子」
- 20:45 獅子狂言「和藤内」
- 20:55 獅子舞奉納おわり
Clip
灯籠⁄神楽(神楽屋台)
獅子舞い「悪魔祓い」
獅子狂言「ぼたん獅子」
獅子狂言「和藤内」
- 台詞(せりふ)は「大衆芸能資料集成 〈第2巻〉」を参照
Location
上平神社 須坂市大字塩野字上平669 (2022.5.2)
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Notes
「信州の祭り大百科」(昭和六三年十二月十五日、
長野県民俗の会監修、郷土出版社)から引用
須坂市の獅子狂言
須坂市には歌舞伎や浄瑠璃の中の見せ場の段物を獅子が演
じたり舞ったりする「獅子狂言」が数多く残っている。・・
「和藤内」(須坂市塩野町)
・・塩野町の獅子狂言「和藤内」では、中国に上陸して、
皆に恐れられている虎を退治する場面が演じられる。・・
虎には獅子がなり、鈴と刀を持ち、幌の中へは十人ほどが
入って大きく見せる。和藤内はこの虎と対峙して名乗る。
「ホウホウ、われこそは日本肥前の国、平戸の浦に住居す、
老一官が倅、和藤内の三官とはわがことなり。それ火は水を
もって湿し、人間は天地の恵みによって育ち・・」
名乗り終わると腰の扇をパッと開いて投げつける。三、四
回渡り合って、和藤内は虎を切りつけ、首を抑えて場内をま
わる。この迫力ある台詞と立合いが、観客に人気である。
(文は斉藤武雄氏)
「塩野町区誌」(平成十八年十二月二十六日
塩野町区誌編集委員会編集)から引用
奉納獅子神楽
五月一日の晩、神楽が神社に到着すると、神官によって祭
事が行われる。これが終わると、獅子舞の奉納で、順序は次
のようである。
一 悪魔祓い獅子 二 牡丹獅子 三 おかめ 四 和藤内
獅子
・・塩野の獅子は、男獅子だと言われ頭も大きく・・また
幌の中へは普通一人か二人ぐらいが入って舞うが、塩野では
一0人以上も入って姿を大きく見せる。・・
①悪魔祓い獅子
この獅子舞は、日本神話伝説からきたものといわれ、相方
はいない。笛を合図に獅子は、御幣を右手に持ち、囃子の「天
の岩戸を押し開く」で御幣を左右に振りながら、三歩進んで
右を向く。・・
②牡丹獅子
この牡丹獅子は、ぼたんに狂う唐獅子を表したものか、歌
舞伎の蝶に戯れる獅子舞からのものか定かではないが、その
一連のものではないかといわれる。
舞は初め獅子の先に、おしゃれ(若い娘)が、長さ三㍍余
りの竹竿の両端へ、白紙を三角に折り畳んで結わえたのを持っ
て、合図の笛で獅子と共に歩き出す。・・笛が変わり、獅子の
舞手は、頭を両手で持ち、足を開いて大きく右から左へ床すれ
すれに回す。おしゃれは、膝を曲げて腰を下げ、竹竿を肩にか
け、左から右へ廻して獅子をじゃらす。・・
③おかめ
④和藤内獅子
・・先ず獅子と共に、凛々しい扮装の和藤内が舞台に登場す
る。ひときわ高い笛の音で舞が始まる。和藤内は獅子と対峙し、
それぞれ刀を左手でかざし、右手の鈴を左肩から右下に振り下
ろす。・・一回りすると獅子は「あばれ」に移る。獅子頭を大
きく振り動かしながら八方を浄める意味か?米の字に舞う。そ
の後中央で・・動きを止める。この間に和藤内は、後ろの人の
肩に乗り、獅子(韃靼)の背に乗った形となる。あばれが終わ
ると獅子詞が入る。「韃靼に乗る奴ア何奴だー。」・・
獅子は怒り、背に乗った和藤内に食い付こうとして、囃子に
合わせて時々頭を振り挙げる。負けじと和藤内も袖まくりの所
作をしながらこれを防ぐ、ひと回りすると、和藤内は獅子から
とび降り、・・揉みあった後突き放し、獅子の動きに合わせ、
一刀のもとに首を切ってとる。・・囃子詞に合わせて、和藤内
は右手を額にかざし、足音高く舞台を一回りし、最後に前へ三
歩進んで中央に戻り礼をして終る(すると大ごくろうの声がか
かる)。