北信濃神楽採訪

須坂市 村山 日野諏訪神社

Date

  • 2004年(平成16年)10月10日(日) 秋季例大祭 (夜宮) ☀
  •  19:30 宮入
  •  19:45 獅子舞い
  •  20:00 三番叟
  •  20:15 獅子狂言「梅川」
  •  20:30 獅子狂言おわり

Clip

灯籠⁄神楽

獅子舞い

 


三番叟

 


獅子狂言「梅川」

 


Location

日野諏訪神社 須坂市大字村山278

Notes



「信州の祭り大百科(昭和六十三年十二月十五日
監修:長野県民俗の会 郷土出版社)」から引用

 ・・村山の「梅川」は、「梅川忠兵衛」ともいっており、
出典は、近松門左衛門の歌舞伎脚本の「冥土の飛脚(めいど
のひきゃく)」の中の、飛脚忠兵衛と遊女梅川が駈け落ちす
る道行(みちゆき)を取り上げたものである。

 ・・「冥途の飛脚」の粗筋(あらすじ)は、大阪淡路町の
飛脚宿亀屋の養子忠兵衛が、為替(かわせ)金として来た
遊女梅川の身受けの金を使い込み、二人は相携(あいたずさ)
えて郭(くるわ)を逃げ出し、逃避行をして二十日ばかりの
放浪の旅の末、忠兵衛の親里新口(にのくち)村に入る。

この獅子狂言は、この親里近くに来た場面から始まり、二人
がその里へ入っていく場面で終わりになる。この歌舞伎の筋
は、その後、忠兵衛は実父孫右衛門と対面し、旧知の忠三郎
の情で裏道から御所街道へと落ちのびようとするが、程なく
代官の手に捕らえられてしまうようになっている。

 ・・遊女梅川に扮するのが獅子であり、忠兵衛は角袖・
角帯・白足袋(たび)の普通の町人風の若衆の身なりである。
獅子は、大き目の獅子頭をかぶって赤緑で模様を彩(いろど)
った派手な振袖(ふりそで)を着、白足袋を履き、手に白粉
を塗って、一際(ひときわ)目立つ服装をしている。

恐ろしい形相をした獅子頭がしおらしい振る舞いをするこの
獅子舞はかえって駈落(かけお)ちの愁嘆場を演出するのに
逆効果があって、見る者に訴えるものがある。



 ・・雨の降る中を、忠兵衛が差し出す傘を手にして、忠兵
衛の「ここは私の生まれた在所……こっちへ」のセリフに、
二人は手を取り合って舞う。この最後の場面では、観衆も
舞台の謡(うた)い手と一緒になってこの祭文風の台詞
を唱える。「……此方と手を取れば、それは嬉しゅう御座ん
する……」

 ・・出演者と観衆とが一体となって演出するこの獅子舞は
他では滅多に見られない情熱の雰囲気を醸し出している。
(文は斉藤武雄氏)