北信濃神楽採訪

須坂市 野辺町 来迎念仏

Date

  • 2007年(平成19年)11月17日 (県立歴史館 公演)
  •  13:40 来迎念仏
  •  14:15 来迎念仏 おわり

Clip

来迎念仏(念仏踊り)

  • ※ 角:雄獅子 宝珠:雌獅子

Location

Notes


「信州の祭り大百科」(昭和六三年十二月十五日、
長野県民俗の会監修、郷土出版社)から引用

須坂の獅子念仏(来迎念仏)  須坂市

 ・・会場には、床の間の中央に達磨大師の像の軸を掛け、
その左右に「南無阿弥陀仏」の名号を掲げる。前部には講中
の法名戒名を書いた過去帳を広げ、周囲に往生旗と講中旗を
飾る。  ・・まず太鼓が強く二つ打たれ、続いて全員が太鼓
に合わせて鉦を打ち鳴らしながら念仏和讃が唱えられる。念
仏が盛り上がってきたころ、下手から雌雄二匹の鹿(狛犬系
の獅子に似た面相)が登場する。初めに雄鹿が念仏に参加し
ようとするが、心配性の雌鹿がこれを引きとめようとする。
雌雄ともにややしばらくためらうが、やがて念仏に参加する。
その動作がぎごちないだけに、何ともいえずいじらしい。彼
らは終いには恐る恐る太鼓まで打ち出し満足げに帰って行く。
 ・・獅子は、普賢菩薩の乗り物でもあり、仏教とは関係が
深く、日本でも平安時代には、法会のときに獅子を舞わして
いる記録もある。しかし、来迎念仏に付随した獅子舞という
ものは珍しい。・・
 ・・念仏と獅子を融合させた民俗芸能は、古い歴史を持っ
てはいるようだが、その残存はあまりなく、野辺のこの獅子
念仏は貴重なものであるといえる。・・(文は斉藤武雄氏)