北信濃神楽採訪

「生き生きライフ」『ＪＡながの  ｖｉｖｉｄ』
（二〇一五年一〇月号）から引用

伝統文化を復活  七年ぶりに男獅子を神社に奉納
飯綱町豊野  福井神楽保存会

　飯綱町福井地区には豊作や無病息災を願う「福井の男獅子」
が代々伝わってきたが、担い手不足により平成二〇年を最後
に中断していた。しかし、同地区に住む□□さんが「伝統的
な福井の男獅子をもう一度復活させよう」と仲間に呼びかけ
「福井神楽保存会」を平成二五年に結成し、今年の九月一二
日に神社へ舞の奉納を行った。

　同地区の男獅子は、激しい舞が特徴で、真剣を使った「剣
舞い」や「剣呑み」がある。・・
　七年前まで使っていた音符が書かれた模造紙を使い笛や太
鼓、舞の練習を三月頃から公民館で開始した。□□さんは
「音符は神楽独特のもので、昔の記憶を頼りに練習して大変
だった。また、舞に使う真剣もサビており研ぎ師を探すなど
苦労した」と当時を振り返る。
　当日、地元神社で笛や太鼓、掛け声が響く中、剣舞が行わ
れた。獅子が剣を呑み込もうとすると観客らは手に汗にぎり
ながら見守り、成功すると多くの歓声や拍手が沸き起こった。